夜にコンビニの光などに虫が群がっていてり 田舎の自動販売機は虫がびっしりついていたりするがそれは何故か?
昔から飛んで火に入る夏の虫なんてことわざもあるくらい 虫が光に集まるのは知られていた 最近の研究結果で 虫は光を背にして飛んでいる事が分かりました。
単純に言えば強い光に背を向けて飛ぶという性質があります。
これは英国のインペリアル・カレッジ・ロンドン(ICL)の研究により分かった事です。
今までの仮説
- 虫には光に向かって飛ぶ走性があるとする説
- 月の光を頼りに飛んでるところを人工光源によって混乱したとする説
- 光源からの熱放射が虫たちを惹き付けているとする説
- 夜間適応した虫にとって人工光源は眩しすぎて混乱したとする説
どれもこれも説得力があるのですが説明できない部分があります
1、だと実際に虫の飛行を観察すれば直接、光に向かって飛ぶのではなく垂直に直交するような飛び方をします。
2,だと月の光を頼りにしているなら、らせん状に飛ぶはずなのですがそういう飛び方はしない
3,の熱放射に惹きつけられるというのも虫が必ずしも暖かい場所を目指すわけじゃないから違います。
4,の場合、街灯や電球などの周りを器用に回っている説明ができない。
研究者がハイスピードカメラを使って光源の近くで飛ぶ虫を観察したところ
とんでもない事が分かりました。
地面においた電球に向かってひっくり返りそのまま失速して墜落したのです。
図にすると光に気がついた蝶はひっくり返り地面に向かって羽ばたいて落ちていきました。
逆に天井でぶら下がっている電球に対しては
こんな感じで急上昇する事が分かりました。
横から電球の光に照らされると周りをグルグルと飛び始めました。
3つとも共通しているのは光源に対して背中を向けて飛んでいる事で起きている現象でした。
虫や魚には「背光反射」という性質があり、それが関係している事が分かりました。
虫は上下の感覚を光に頼っている
どうやら虫は上下の感覚を光に頼っているようなのです。
虫自体、天井にも張り付けるから上下の感覚が無さそうな感じがしますね。
だからこそ光で上と下を判断している。 自然界でならそれで足りる。 昼は太陽の光を頼りにし夜は月の明かりや星空を頼りにする。
なんで上下の感覚を光に頼っているかと言えば、哺乳類は重力を感じ取って上下を判断するのに対して
虫や魚は空気や水の負荷が無視できない
だから光で上下を判断しているというわけです。
研究ではコンピューター上でシュミレーションで作った架空の虫に光を感じたら背中を向けるというプログラミングをしてシュミレートした結果でも
実際の虫と同じように飛んだ事で実証されました。
遠い電球などには反応しない事も分かっています。
背光反射には虫によって違いがありショウジョウバエの一種である「Drosophila spp」や蛾の一種である「Daphnis nerii」は他の虫と比較して背光反射を起こしにくいという事が分かりました。
光の波長によって背光反射が起こりやすい虫と起こりにくい虫がいるなら光の波長を操作して人にとって害虫を集めて駆除するのにも使えますね。
飛んで火に入る夏の虫は何故起こる?
虫は光で上下を決めていると書きましたがそうなると飛んで火にいる夏の虫も合理的な解説ができます。
夜中に焚き火を焚いてご飯を作ったり暖をとったり人間がしているわけですが 夜の闇ではそれが1番、強い光になります。
虫はその光を見て上下を変えてしまう。 結果、地面に向かって飛ぶようになるため真っ逆さまに落ちてしまう。
落ちた先は焚き火だから人間の目には突然、虫が火に向かって落ちていったようにしか見えなかったというわけです。
考察、自販機に集る虫は?
背光反射をしているのは確かなんだけど自販機って虫からみたら壁だし
ぶつかって着地しているから虫が集まるという感じだろうか?
上下、逆さまになって墜落してもその後はちゃんと元に戻るわけだから電球にくっついている虫もいるというわけですね
まとめ
虫が夜の街灯やコンビニなどの光に集まるのは背光反射が原因
強い光を感じると虫は背中を向けて飛ぶ
背光反射自体は知られていたのですが具体的に光へ集まるという原因だと分かったのは最近の事らしいです。
単純なプログラムで作った架空の蝶と同じ動きしていた事から間違いないでしょう。
飛んで火に入る夏の虫状態にも具体的な説明が出来て面白い
ではでは(^ω^)ノシ
参考論文
Why flying insects gather at artificial light
https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2023.04.11.536486v1.full
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