剣術といえば日本の武士が使っている日本刀を使った技術です。
殺陣とはお芝居用の剣術というかお芝居を盛り上げるための技術
全く似て非なるものという印象です。
剣術をスポーツ化したのが剣道であるならば剣術をエンタメとして見せる技術が殺陣です。
剣術の動きに唄を合わせた剣舞などもありますね。
殺陣は剣術、剣道と真逆の考え
剣術や剣道ではとにかく動きを小さく見えづらく相手に攻撃を察知されない動きを追求します。
無駄を省く事で小さな動作でも斬れるとか力が出るとかそういう事を追求します。
殺陣はそうじゃなくて大きく体を動かす派手な太刀さばきを追求します。
だから動作が大きく溜めがある動きになる。
剣術をトコトン練習した人が殺陣を練習すれば上手くなるのは早いけれど
逆に殺陣がいくら上手くても剣術が上手いとはならない
剣術とは?
文字通り、日本刀を扱う技術の総称でいろいろな流派がある
北辰一刀流とか示現流とか柳生新陰流などなど
最古の剣術は関東と関西で違いがあり
関東では「鹿島神宮」の神官だった「国摩真人」が神宮に伝わった秘技を習得
後に「神妙剣」としてまとめ「鹿島の太刀」と呼ばれる
上古流、中古流として発展し、「関東七流」と言われた。
関西では京八流と呼ばれる武術が平安時代末期に起こったとされる
鬼一法眼という人が作った武術。
源義経の師匠として義経記には描かれている。
どちらも寺とか神宮で産まれているのが面白いところ。
武士が産まれた時代は僧兵も強かった時代。
そこから鎌倉時代や室町時代、江戸時代と発展していった
日本刀を使う武術、または武士が使う武器全般を教える流派もあった。
基本的に戦場で使われる技術、戦闘で使われる技術なので無駄を省く
合理的な技術である。
剣術をベースにいろいろなジャンルが生まれている。
- 剣道・・・・剣術をスポーツ化したもの心身の鍛錬が目的とされる。(危険な技の排除)
- 居合・・・・刀を鞘に納めた状態から斬りつける動きを練習する。
- 剣舞・・・・剣術の動き唄をあわせたもの撃剣興行の余興として始まった
- 殺陣・・・・剣術の動きをお芝居用に変えたもの見栄えがよくダイナミック
- 試し斬り・・巻藁を斬る、巻藁の本数や斬った回数などを見る(剣術の動きとは少し違い、日本刀で確実に物を斬る動きになる)
剣道
江戸時代に開発された竹刀を使った武道。
明治時代に剣術が下火になったが明治10年頃から活発に
(明治28)年には、武術の保存奨励と武徳の涵養を図る全国組織として大日本武徳会が設立され
大正時代には剣術や撃剣などの呼称を剣道に統一した。
戦後は全日本剣道連盟が設立された。
剣術をベースに安全な竹刀と防具を使いルールが決められたのが剣道です。

居合
日本刀を鞘に納めた状態から抜刀して相手を斬る武術
基本的に型稽古が中心の武道。
座った状態から抜刀や鞘から刀を抜く事を重視していることから
突発的な戦闘、日常生活の中で起きる戦闘を想定している。
林崎甚助源重信という人物が作った剣術、室町時代末期の永禄の頃、奥州林崎(山形県村山市・日本で唯一社の居合神社がある)で居合という技術が生まれた。
剣舞とは?
剣舞とは日本刀を使った舞の事
その起源はよく分からない、大陸から刀剣が伝わった頃には剣を持って舞うという文化が伝わっていたのでないか?
という話もあり太平記(14世紀の軍記物語)では刀を持って舞ったという記述もあったりする
一説には江戸末期に昌平坂学問所の学生が酒によって漢詩を吟じつつ刀を抜いたというのが有名
人によっては武士がみだりに刀を抜いたりしないという反論もあったりする。
現代の剣舞につながるのは明治時代、廃刀令などもあり剣術が廃れてしまうのを恐れた
剣術家・榊原鍵吉が撃剣興行を行い、その試合の合間に剣舞を見せたのが始まりと言われています。
唄と音楽に合わせて踊るのが特徴。
動きは派手なものが多い
剣舞教室で習える。
殺陣は演技するための技術
時代劇のアクションシーンやドラマでの格闘シーンなど
剣や格闘シーンを演じるための技術です。
最初から最後まで手順を決めて戦っている演技をする技術の総称。
日本刀で斬られる演技をする必要もあるし殴られる演技もある。
武器も槍とか薙刀を使ったり、十手や場合によっては銃を使う演技もする。
立ち回りは派手
殺陣の特徴は?
時代劇やドラマなどのアクションシーン全般を殺陣と言ってもいい
決まった型がありそれを覚えて実践する
複数人が型どおりの動きをして戦闘シーンを演じる
「立ち回り」が特徴的です。
剣術と違い大きく分かりやすい動きになる。
殺陣 いつからある?
テレビや映画、歌舞伎や新国劇などで演じられる殺陣ですが
その起源をたどると能楽から始まって
江戸後期にに広まり、近代に定着した言葉である。
殺陣のルールとは?
殺陣は安全性を確保するためにルールがある
- 「声かけ」
- 「振り上げ斜め45度」
- 「寸止めがキチンとできる」
斬りかかる時に声を出して合図する。
振り上げ斜め45度に関してはまっすぐ振り上げてまっすぐ振り下ろす動作はないようです。
寸止めができるこれは大事。
竹光とは言え当たれば痛い
殺陣師になるには?
現在活躍している殺陣師に弟子入りするかアクション俳優が所属する
プロダクションや剣友会に所属するのがベスト
殺陣を教えている剣友会に所属すれば殺陣師さんと知り合う機会も多くなりそうですね。
試し斬り
元々は日本刀の性能を見るために行われていた
現代では巻藁を斬るが江戸時代では罪人の死体を斬った
ちなみに最高記録は「七ツ胴落とし兼房」七つの胴体を斬った記録がある。
現代でも居合を習うと試し斬りも出来たりする道場があったりする。
あくまでも試刀術であり剣術とは若干違う
まとめ
剣術をベースにいろいろなジャンルが生まれた
- 剣道・・・・剣術をスポーツ化したもの心身の鍛錬が目的とされる。(危険な技の排除)
- 居合・・・・刀を鞘に納めた状態から斬りつける動きを練習する。
- 剣舞・・・・剣術の動き唄をあわせたもの撃剣興行の余興として始まった
- 殺陣・・・・剣術の動きをお芝居用に変えたもの見栄えがよくダイナミック
- 試し斬り・・巻藁を斬る、巻藁の本数や斬った回数などを見る(剣術の動きとは少し違い、日本刀で確実に物を斬る動きになる)
個人的には剣術を習えば全てに応用が効きそうな感じがしますね。
ではでは(^ω^)ノシ
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